過去 1 週間のページビュー

2011年12月28日水曜日

マドリードの鈴木君

カバの高校の同級生に鈴木彰君がいる。彼は佐々木英明君と同じ平内出身なのだが、とにかく神出鬼没な男であった。鈴木君は東京に出て立教大学に入ったので、ほとんど会うことはなかった。それでも学生時代、帰省中に一度か、二度、新町でばったり会うことがあった。きまって彼の方から大きな声で声をかけてくれた。彼は長髪の時もあったし、髭をはやしている時もあった。
 カバが帰郷してからも、ひょんなところであったりした。裁判所の地下であったり、岩木山の裾野でも偶然出くわした。それが、ときどき連絡をとりあうようになったのは、彼が学習塾を始めてからだった。積極性と元気、それが彼のとり得だった。
 そんな彼の学習塾ははやり、バブルのころは年収2千万円に達したこともあったと本人の言であった。その鈴木君はいつのころからか少林寺拳法をやりはじめ、スペインに凝るようになった。理由はわからない。自ら青森スペイン友好協会をたちあげ、何十回となくスペインの地を訪れ、完全にスペイン語をマスターしたご豪語し、カバにまくしたてて自慢した。
 その彼が、とうとうスペインの大学に1年間語学留学すると言って、9月の末に成田から旅立った。そして、クリスマスイブにマドリッドから電話をよこした。
 「元気にやってるかい。おれも元気だよ」
 鈴木君は青森にいるような調子で、カバに「いつでも遊びに来いよ」と言って、電話をきった。
 カバは彼に言うのを忘れてしまった。
 「一日早い、メリークリスマス」

0 件のコメント: