今回の国土交通省の東日本大震災による被災者支援策としての高速道路無料開放の措置は、あくまで被災者本人に限定し、その被災者への証明認定は居住地自治体の発行に委ねると云うものであり、担当省である国交省も「節度ある対応がのぞまれる」としたものの、停電を理由とする被害損害を根拠とする被災証明の発行自体を違法遺憾としてはいない。
しかるに、県都青森市は鹿内市長が県市長会の会長でもあるにもかかわらず、小林八戸市長が6月20日の無料開放の施行前に「他市町村でも(被災者証明の)一律発行を実施してほしい」と呼びかけたのに対して一顧だにしなかった。このことは、県内40市町村のリーダーシップを発揮する県都の市長としてはいささかいただけなかったのではないか。
ことはそれだけにとどまらない。「青森市は被災地ではないし、被災者もいない」ことを理由に、被災証明の本人申請を却下しているのに、国の高速道路無料化の被災者支援の趣旨を逸脱し、他の自治体で被災した被災者を親族(二親等以内)にもつ青森市民だけ(7月末で約500人弱)を被災者とみなして証明書を発行するという問題ある(違法性があり・適法性を欠く)施策を決定したのである。この「みなし被災者」は無料開放の趣旨に反するものであり、本来であれば市費単独で実施すべきものであった。
何のことはない。親族の限定(二親等以内)の問題も、「みなし被災者」の違法性の問題も、八戸市、三沢市、おいらせ町、野辺地町、平内町、蓬田村、外ヶ浜町等と同じく、停電による物品の損害を受けたと本人から申請があった市民に被災者証明を発行すればすべて解決する。しかも、それは国が認めた制度であり、国の責任で費用を負担するのだから一切の市費は要しないですんだのである。
最後に、この国交省の大震災による被災者支援のための東北管内を発着する高速道路無料開放の政策は、被災地及び被災者への単なる支援策ではなく、被災地・被災者への元気づけ、経済活動の活性化への援助策でもあったはずである。その意味で、この制度の適用は公平性・平等性が強く求められるのである。しかるに、自治体の長の裁量権で適用・非適用が決まるとすれば、誤った政策決定した責任はだれが取るのだろうか。40市町村の130万県民のうち、30市町村35万人が無料化の恩恵を受けているのに、30万青森市民のわずか500人足らずの市民しか証明書をもらえないというこの不公平・不平等が実際になされて、すでに2カ月半が過ぎている。本当は、40市町村すべてに、130万人すべてが被災者として、この無料開放の恩恵を受けるべくます30万人青森市が率先してリーダーシップを発揮すべだったと思う。
本当に、鹿内市長が言うところの「元気な青森市」にしたいのなら、こんなときこそ勇気を持って、市民に「間違っていました」と素直に謝って、直すべきところは直し、正すべきところは正してしかるべきではないだろうか。
こんなことでは、市政の改革どころか、いつまでたっても職員の不祥事や不適正な行政運営が改まることがないと本当に危惧するものである。

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