10月いっぱいで選挙の後始末を終え、三年寝て暮らすつもりでした。65歳、高齢者になったことだし、少ない年金で女房と二人、ひっそりと家で読書しながら暮らしていくつもりでした。
11月になって9日、仙台の同期の集まりがあって鎌先温泉に行きました。白石蔵王から20分ほど山間に温泉場があり、宿の小型車に乗り換えて急坂を登ったところに木造四階建ての宿がありました。泊まったのは向かいの新館でしたが、隠れ奥座敷のような静かで落ち着いた宿でした。鎌先温泉は、薬湯で有名だということですが、カバは仙台に三年いましたが記憶はありませんでした。
14日から女房が娘と箱根にいったため、カバは17日までひとりでした。毎日、魯迅箴言を読んで過ごしました。古い日記をもとに、大学ノートに40篇ほど書き込みをしました。驚くほど気が鎮まりました。カバは少しずつ元気になっていく自分を感じました。当面、魯迅箴言を読み、孔子の論語を諳んじ、漱石と鴎外の全集に沈潜してみることにしました。
魯迅箴言ノートを書いているうちに、カバは鎌先温泉に病気を理由に来なかった友人が3年前の同期会で言った言葉、「福島第1原発事故のことを書け」を思い出し、もう一度、小説を書いてみることにしました。まだ、福島のことは書けませんが、1999年のJCO臨界事故のことを書いた書きかけの小説を完成させることにしました。「冥界の王」という題のその小説は20日までにでき上がりました。まだ、細部について推敲が必要ですが、80枚の原稿がとにかく出来上がりました。
「冥界の王」が完成して少し満足して、書斎の窓から三内丸山の森を眺めているうちに、北狄の編集長から369号の執筆の要請があったのを思い出しました。、25日の締切まで10枚程度の掌編を書いてみようという気になっていました。
20日の夜から「鎌先温泉」を書き始め、25日の夜までに33枚の原稿を書きあげ、編集長に送信しました。やればできるものだと思いました。
25日の夜から昨日まで、新聞の政治欄と経済欄を中心にじっくりメモをとりながら読んでいました。「貧困」、「格差」、「不平等」とどう向き合うのか、それが政治の課題だとよくわかりました。
こうして日々をすごしていると、本当に充実した気持になり、物事がよく見える気がします。カバは自分ができなかったことを、四人の子がやってくれていると思うことにしました。もう抵抗はしないことにしました。できることは、本を読むこと、新聞のなかに現実をみること、そして思いを原稿に書くことだと思いました。
今夜は三男から誘いを受け会食しながら、若者の気持が聞けるし、長男、長女、そして次男がどんな気持でそれぞれ生きているのか想像するつもりです。
そして、明日の朝、今年最後の旅に出ます。まず、奈良へ行き、東大寺と法隆寺を観てきるつもりです。その次の日から京都にでて、高校の友人たちと合流し、京都の紅葉のなかに自分を置いてきます。ついでに、3日の夜は、大阪の梅田で大学の友人と忘年会をやって4日の午後に帰ってきます。

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