日本もおかしいが、アメリカもおかしい。世界の資本主義も終焉を迎えようとしてことがはっきりした。それはアメリカが34年ぶりに原発の新増設を決めたからだ。今年、大統領選挙があるアメリカでは、現職のオバマが苦戦を強いられている。
世界はゴフマン教授が憂いていたように、核実験をつづけ、放射能の脅威が叫ばれ、核兵器の廃絶が非核兵器保有国からの声が大きくなると、核の平和利用ということで原発を造り、莫大な量の放射性廃棄物を産み出してきた。使用済み核燃料のなかにたまった高レベル放射性廃棄物の処分法がないまま、再処理するか、直接処分するか、そのどちらの方法についても、原爆の死の灰とおなじ放射能をもつ廃棄物がどんどんたまり続けている。
アメリカは1973年のスリーマイル島原発事故以来一基も原発を新しくつくっていないものの世界第一の原発保有国であることにはかわりはない。しかも、使用済み核燃料の最終処分場とてユッカマウンテンの処分場予定地も地元の反対にあって頓挫している。老朽化した原発は廃炉にして、廃棄物処理がこれから大変な状況となっていた。
そんな状況で、しかも、昨年の福島第1原発事故がこれまでにない4基もの水素爆発と炉心溶融まで引き起こした大事故を経験したばかりである。何の意味があって、アメリカがオバマ政権下にあって原発建設を再開しなければならないのだろうか。国家を、人類を死滅させるに足る放射能をうみだす原発をなぜいま新たに作る必要があるのだろうか。そう思うにつけ、いま日本で行われている原発再稼働をめぐる動きや、再処理政策の見直しどころか、推進の合唱に変わりつつある現状をみるとなるほどと思う。
有史以来、なぜ国家は、人類は戦争を繰り返し、おなじ人間を殺戮しつづけてきたのか、ということだ。そのことを考えたとき、答えは見えてくるような気がする。
科学が国家の維持や勢力の拡大に使われたとき、必ず人類はそのしっぺ返しを受けてきた。いままた、時代に逆行する誤った科学への過信と妄動のしっぺ返しは、こんどは地球全体、人類全体に波及することを恐れるのはカバだけではあるまい。
人類の未来を暗示するのは、いまの子どもたちである。そして、これからこども産み育てることができる若い世代である。そうした人たちの遺伝子に悪影響を与える放射能を環境に放出させることを止めなければならない。国連がすべての国の原発をやめさせ、すべての原子力施設の稼働を中止し、世界中の英知を結集して廃棄物の人類への影響がないように処分することに全力をあげなければ、地球と人類に未来はない。

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