これからの話は、カバが代表を務める原子力防災研究所の試算である。信じられないくらい恐ろしい話である。
54基の原発は少なくとも40年後には、すなわち2050年にはすべて停止・廃炉となると仮定しよう。そうした場合の廃炉、再処理工場解体、使用済み燃料保管、高レベル放射性廃棄物最終処分、低レベル放射性廃棄物の地層処分にかかる総費用がいくらかかるかの試算だ。
1 廃炉費用;1基5000億円と試算する。(根拠;2002年電事連試算で2045年までで50基原発廃炉費用20兆円で1基当たり4000億。コストアップにより5000億とした)
54基原発;=54×5000億円=27兆円
2 再処理工場解体処分費用;10兆円(これも2002年電事連試算)
3 使用済み核燃料保管費用等;2030年使用済み燃料発生量62,000トン(1997年総合エネルギー調査会資料)
2050年も62,000トンの使用済み燃料発生量を据え置いて試算
中間貯蔵費用;12,000トン×31億円=37兆円
プール貯蔵費用;43,000トン×52億円=224兆円
再処理費用;7,000トン(全量再処理で43兆円)
総費用;300兆円
4 高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の処理費用;2020年まで4万本で3兆円→2050年8万本で6兆円
5 低レベル放射性廃棄物地層処分;200ℓドラム缶100万本年保管量1万円で40年間
100×40=4000億円
総計 1から5までで;343兆円要することになる。
つまり、2050年までで、原発をすべて停止し、こんご使用済み核燃料や一切の放射性廃棄物をださない状態で、その廃炉や廃棄物処理にいくら費用がかかるかというと343兆円ということになり、これを1億3千万人で負担するとなると毎年6万6千円ずつ、月に直すと毎月5500円を40年間払い続けなければならない勘定になる。日本国民はそうした重いつけをこれから払わせ続けなければならないのだ。
それに、こんどは福島第一原発の事故の収束に向けた対応とその費用が重なる。東電のみならず、日本の電力会社を国有化し、官民一体となって賠償しなければならない。
日本はいまや財政赤字(国と地方の合計の債務残高1145兆円)にこの脱原発に要する赤字、それに福島第一原発事故による赤字、という三重苦にあえいでいるのだ。
国の財政悪化を切り抜ける方策があるのかと聞かれ、とてもあるはずがないと答えるしかない。

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