過去 1 週間のページビュー

2011年4月24日日曜日

「永遠と一日」について

佐々木英明からギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロスのことを初めて聞いた。彼の自作詩朗読会台本「明日の長さについて」を読んで、朗読会での映画のMDで流れたナレーションと少年の会話(ギリシャ語)がエレニ・カラインドルーの音楽と併せて、どうして英明の詩とマッチしていたかがよくわかった。英明の言葉を借りれば「詩を覚悟した詩人の一日をドキュメント風に、しかも詩情豊かに綴った」この映画の字幕スーパーから引用された脚本は素晴らしい。さすが池澤夏樹だ。

 夏。荘厳な白亜の別荘(あるいはアレクサンドルが少年時代を過ごした家)。観音開きの鎧戸がわずかに開いている。カメラがその窓に近づいてゆく。ナレーションが少年の会話を伝える。
 「アレクサンドル、島へ行こう」
 「どこへ?」
 「島だよ。海の底で古代都市を見て、島で崖に上って、沖を船が通ったら叫ぶんだ」
 「古代都市?」
 「おじいさんの話さ。むかし、幸福な町が地震で沈んだ。何世紀も海底で眠っている。明け方の星が地球と別れを告げる朝、一瞬、古代都市が海の上にでてくる。そのとき、すべてが、時が止まる」
 「時って?」
 「砂浜でお手玉遊びをするこども。それが時だってさ。来るだろ?」

 ピアノによるテーマ曲が流れ、タイトルバック。カメラはアレクサンドルの室内へと潜入する。カーテン越しに差し込む陽光。

 ここで、映画のテーマ曲が流れてきて朗読用の原稿を手に、英明が登場する。
 ゆっくりと椅子に腰かけ、ひと呼吸。そして英明が自作の「雪の宇宙」の朗読を始める。

 ざっと、こんな具合で、佐々木英明の朗読詩演「明日の長さについて」が始まる。

0 件のコメント: