過去 1 週間のページビュー

2015年11月17日火曜日

11月17日、我は京へ神は出雲へ道二つ

 今日はバスで新町の事務所へ行きました。午前中、原子力防災の原稿書きと調べ物を続け、午後に今村事務所でデジカメの講習会でした。坂本さんと、昆さんが見えていました。退職者会の総会とかで、平賀の福士・木村・藤田の三人が見えて、一緒にジターヌへ行きました。
 3時に事務所へ戻り、6時まで続きをやりました。蓮心寺の市民の会へ、田村さんがTPPの話をしてくれました。田村・本間・前田・工藤・笹森・風晴・成田の8人で熱心のTPPの本質について議論しました。日本は確実におかしな方向へ向かっているなと感じました。
 終わって保志で二次会をやりました。そんなに寒くはありませんが、小雨がぱらついていました。

『プルトニウム』

 1)発がん作用の仕組み
 プルトニウムが発ガン物質として危険なのは、主としてガンマ線ではなくアルファ線のためであり、また、主としてそれが体外にある場合ではなく、体内に入った場合である。プルトニウムが体内に入ると、たとえ少量であっても、そのアルファ線は生物学的損傷を起こす。アルファ粒子は重いため、電子などよりも原子を電離する効果が大きく、したがってずっと短い距離でエネルギーを失い、止まってしまう。
アルファ線は飛程当たり(およびエネルギー喪失量当たりの)電離の件数が大きいため、高LET(総エネルギー付与)放射線と呼ばれ、エネルギー付与の比較的低い光子や電子など(低LET放射線)と区別される。
アルファ線は物質の中での飛程が非常に短い(軟組織内で約0.05ミリメートル)ため、そのエネルギー付与はベータ線やガンマ線などの低LET放射線の場合よりも、ずっと凝縮したかたちで生じる。その結果、生物組織に付与されたエネルギーの量が同じであるとすると、ずっと大きな生物学的損傷が生じるのである。
いろいろな種類の放射線が生物学的損傷を起こす場合の相対的な効果は、「生物学的効果比」(RBE)として知られる。アルファ線の内部被曝の危険性に関する医学的推定値は、この数十年の研究の進展とともに大きくなっていった。1980年代半ばまではアルファ線のRBEの値として10を使うのが一般的だった[1]。ところがこの頃から国際放射線防護委員会(ICRP)はこれを20に上げることを勧告している。(因みに、ガンマ線のRBEの値は1である)。
ごく最近の研究により、アルファ線による真の生物学的損傷はもっと大きいのではないかという心配が高まっている。カディム(英国医学研究協会の研究者)らは、マウスの造血幹細胞コロニー(単一細胞または共通の祖先から分裂を繰り返して増えたまったく同一の特性をもつ細胞の集団)の子孫に非クローン型異常が高い頻度で発現することを発見した(この現象はX線では見られなかった)。このことは、生き残った個々の幹細胞がその子孫に「染色体の不安定性」を伝え、この不安定性が、何度もの細胞分裂の後にさまざまなはっきりとした細胞遺伝学的異常型として発現するという仕組みの可能性を示唆している[2]
一方、同じような「染色体の不安定性」という欠陥を持ったヒトは、早期にガンにかかりやすいことが知られている[3]。このようなタイプの遺伝的欠陥は、安定的なかたちで誘発される体細胞突然変異とはまったく異なる。後者はクローン型のもので、低LET放射線によって簡単に誘発される。
さらに長沢初美とJ・B・リトルらによる研究では、G1期(細胞周期におけるDNA合成前期)にアルファ粒子を0.31ミリグレイ(31ミリラド)照射されたチャイニーズ・ハムスターの卵細胞で、遺伝的損傷の一つの指標である姉妹染色分体交換頻度の大きな増加が認められた。同じような増加をX線で起こすには、約2.0グレイ(200ラド)の線量が必要だった。
これらの研究が示唆しているのは、プルトニウムが、これまで推定されてきたよりも高いRBEをもっているか、伝統的なRBEの計算によって予測されるよりも高い発ガン性をもっているかのどちらかだということである。この調査結果が確認されれば、プルトニウム被曝の許容限度基準の設定や、プルトニウムで汚染された集団に関する疫学的調査の計画や解釈などにとって大きな意味をもつ。



[1] 吸収物質の重量当たりエネルギー吸収量は、グレイまたはラドで測られる。1グレイは100ラドに等しい。生物学的損傷はシーベルト()またはレムで測られる。1シーベルトは100レムに等しい。
[2] Kadhim et al. 1992.
[3] Evans 1992

0 件のコメント: