原子力防災研究所(青森市古川2丁目10-11水口不動産2階)
代表 笹田隆志
―昨年度を振り返って・・・。
「2011年3月11日の東日本大震災により発生した東京電力・福島第一原発事故を受けて、わが国の原子力防災に関する抜本的な見直しが行われました。このなかで、原子力災害対策特別措置法をはじめとする関係法令の改正がなされ、原子力規制委員会による原子力災害対策指針の改正が2012年10月31日に行われました。この指針に基づき、青森県には六ヶ所村の核燃料サイクル施設、東通村の東通原発などの原子力施設があることから、県は2013年2月25日に「青森県地域防災計画(原子力編)」を修正しています。県の原子力防災計画の主な修正点は、原子力災害対策を重点的に実施すべき区域を範囲の拡大(10kmから30km圏)と、原子力災害対策を重点的に実施すべき区域の区分等に応じた防護措置の準備及び実施(新たにむつ市、横浜町、野辺地町においても地域原子力防災計画の策定が義務付け)でした。こうして2013年3月までに、六ヶ所村と東通村は地域原子力防災計画を修正し、むつ市、横浜町、野辺地町でも地域原子力防災計画を策定しました。昨年度は、県と関係5市町村の原子力防災計画の検証がおもな活動であった。」
―現状は・・・。
「国と原子力規制委員会は、住民の視点に立った防災計画を策定する必要から、2013年9月5日に「原子力災害対策指針」を全文改正し、県及び関係5市町村に対して、PAZ(原発から5kmの範囲の予防的防護措置を準備する区域)及びUPZ(原発から30kmの範囲の緊急時防護措置を準備する区域)に係わる広域避難計画も含めた原子力防災計画の変更・修正を求めています。しかし、県及び関係5市町村においては、青森市などUPZ外の市町村と連携をとった広域避難計画が策定されていません。六ヶ所再処理工場の本格操業、東北電力・東通原発の再稼働、さらにはむつ市のリサイクル燃料備蓄センターの稼働、ならびに大間原発や東京電力・東通原発の操業開始に向けて、ますます原子力防災の必要性は高まって来ている。
青森市出身で、東北大学大学院博士課程中退後、自治労で原子力防災などを担当し、青森市役所で市民政策課の公務も経験したことから、地域に根ざした施策の推進と安全で、住みよいまちづくりのための仕事をしたいと考え、福島原発事故のあとに原子力防災研究所を設立しました。」
―今年度の抱負は・・・。
「原子力規制委員会は、2013年7月8日、改正原子炉等規制法に基づいて、原発の新安全基準が施行されたことにより、電力会社から申請のあった原発再稼働の適合審査を開始しています。まだ東通原発は再稼働申請はしていませんが、現在建設中の大間原発とあわせ適合審査の段階では原子力防災対策が課題となることは明らかです。原子力防災計画の検証と併せ重要な仕事となると思います。
また、原発以外の六ヶ所村再処理工場などの核燃サイクル施設等の新規制基準については、原子力規制委員会が2013年11月27日に決定し、閣議決定の後、12月18日に施行されています。すでに日本原燃は再処理工場など4施設について、2014年1月7日に原子力規制委員会に対し、新基準適合か否かの審査申請を行っています。おなじく、むつ市のリサイクル燃料中間貯蔵(RFS)も2014年1月15日、規制委へ新基準の適合審査を申請しています。これらの施設の適合審査の状況を注視し、原子力防災対策と計画について検証を続けていきたいと思います。
青森市は、東通原発のUPZ外、六ヶ所再処理工場のEPZ外であり、原子力防災計画は策定義務はないものの、広域避難計画の受け入れ対象の自治体として、2014年3月に独自に原子力防災計画を策定しようとしています。
こうした状況から、ますます原子力防災対策と原子力防災計画の検証が必要になると考えています。」

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