今日は、還暦アフター5人組の話。年の順からいこう。
佐々木英明は高校時代から詩を書き、自ら同人誌を発行する中、同郷で高校の先輩でもあった寺山修司に見出され、高校卒業後上京して寺山が率いる「天井桟敷」に入る。高校で二年間も同級であったなどとは信じられないくらい英明は遠い存在だったが、たった一カ月だったが同じ下宿で過ごしたあの頃のことは、忘れたくても忘れられない。英明は「天井桟敷」で映画、舞台に出演し、海外での公演にも参加する。寺山の死後、天井桟敷解散後も詩を書きながら東京に残るが、その後、母親のいる故郷の平内小湊へ帰郷。青森や三沢での「寺山修司祭」にもかかわる。日常生活では、肉体労働で汗を流し、夜に魂を鎮めるように詩を書く生活を続ける。さらには、新聞販売店の仕事をしながら、「詩文集 佐々木英明日記」を書き続ける。帰郷後、佐々木英明は寺山修司や自作詩の朗読をはじめ、高く評価される。舞踏家福士正一との詩の朗読と舞踏のコラボレーションも展開。数年前に、隠遁生活を決意し、新聞店をやめ、詩を中心とする文筆活動に専念する。昨年、3・11後に「伝説の詩人佐々木英明と幻のロックシンガー古川壬生のジョイントコンサート」を青森市旧おきな屋新町店ホールで強行し、復活をとげる。その後、劇団「野の上」の『不識の塔』に客演し、高い評価をえた。その後、10月の東日本詩人会の詩人祭で「自作詩朗読」で絶賛される。現在、詩の朗読の世界では第一人者といわれている。今年の三月には、カバがプロデゥースし、古川壬生脚本によるひとり芝居「ホノルルナイト」を「伝説の詩人と幻のロックシンガーのジョイント第2弾」として同じ青森市新町の旧おきな屋ホールにて上演する予定。大ブレークすること間違いなし。乞うご期待。
藤川幸治は高校時代から有名人。おなじ有名人の佐々木英明が陰と暗だとすれば対局の明と陽にいた。早稲田を出て、地元の新聞社に入り、政経部の敏腕記者としてならした。多彩な男で、ゴルフから水泳、登山までなんでもこなし、文化・芸能から芸術までなんでも詳しい典型的な多趣味人。いずれは社長・主筆となるかと期待していたら、本人は定年前にあっさり辞めて、料理学校に通い、雪深く寒い青森はいやだと冬期間は南の島で夫人とふたりでのんびり過ごしている。こんなに人生を楽しく過ごす方法をわきまえている男をカバはしらない。同期のカバたちの面倒見もいい。昔から少しも変わっていない快男児だ。頭だけはカバと同じで往時の面影はないが。その藤川が2月20日から24日までの5日間限定で、青森市中央の八森ラーメンの南隣の「酒菜遊」で「メンズ『遊』」というカクテルビュッフェを営業して、自慢の料理の腕をふるうという。シェフ藤川の誕生だ。しかも、1月23日から3週間、オーストラリアのゴールドコーストとかに避寒にでかけ、「メンズ遊」の素人営業前の予行演習を夫人の喉でためすという。なんとも優雅な男だ。貧乏症のカバにはとてもできない。でも、北京行きの前の2月21日にシェフ藤川の格好を観に行くと予約だけはしておいた。
若くして現代詩手帖賞を受賞した宮園真木は、カバの高校同期の竹内真理の夫君だ。カバより二歳年下だが、十歳以上も年長者といっていいくらい文学の先達でもある。世界中を放浪ならぬひとり旅行を敢行した「吟遊詩人」だが、ながいこと出版界で活躍している。とくに、かの有名な筑摩書房を再建した立役者の一人であり、取締役総務部長として経営にも手腕を発揮していずれは社長かと思いきや、真木もまた藤川と同じであっさり57歳で辞任し、多忙をきわめる編集者兼総務部長の仕事から執筆者に専念したいとしていた。カバも大いに真木の文壇登場を大いに期待したのだが、一年余りで乞われて海竜社の編集部の部長に就任してしまった。それ以来、毎月6冊の新刊本の出版を統括し、しかも自身も毎月1冊は編集校閲まで携わっている。いまや、出版界の現役のプロ中のプロだ。カバは一日も早く真木に職業作家の路を歩んでほしいと願っている。彼には詩よりも小説を書いてほしいと思うのは、カバが詩を理解する能力を持ち合わせていないためだ。
古川壬生は青森に現存する唯一無二の職業作家だ。食うていくには及ばないのかもしれないが、脚本で原稿料をもらって生活しているプロなのだ。彼の書く文章は優れて職人技だ。すでに、壬生ワールドをもっていて読者を不思議な桃源郷にいざなう。駄作に一度もお目にかかったことがない。それだけ寡作であり、何度も何度も推敲して、自分の文体、自分の文章に練り上げていく。たいした手際だ。とてもかなわない。一方で、職業作家だが、他方ではロックからバラードまでこなすシンガーソングライターの顔をもっている。壬生も詩人、脚本家、小説家となんでもこなす文筆家として、ことしは特にNHKラジオの日曜名作座で2月19日から3月11日を除いて4月1日まで都合6回オンエアーされる。壬生の脚本を西田敏行と竹下景子がどのように朗読するのか本当に楽しみだ。そのあとのオファーもすでにきているという。これと、英明のひとり芝居「ホノルルナイト」の脚本だから、ことしはひょっとして壬生イヤーになるかもしれない。
最後は、カバだが、カバはカバなり、されどもカバとして、今年に勝負をかけるつもりでやってみたい。

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